私がここで強調したいのは、これらの教育原理が単に過去のものだけではないということです。若者の友であるこの聖人の姿は、現代も世界中の、種々異なった文化の若者をひきつけています。もちろん、社会・文化・教会・司牧の背景が変わってきたのですから、彼の教育メッセージも、賢明さと勇気をもって深められ、適応され、刷新されるべきでしょう。すなわち、多くの分野で生じているもっと開かれた視野と新たな進歩、それに時のしるしと第二バチカン公会議の指針などを念頭に置く必要があるのです。しかしながらドン・ボスコの教えの核心、彼の特有な精神、彼の直観、彼のスタイル、彼のカリスマはいずれもその価値を失ってはいません。というのは、それらは時代を越える神の教育から示唆をくんだものだからです。
ところで、聖ヨハネ・ボスコはもう一つの理由で現代的です。それは、新しい課題と要求に創造的な姿勢で取り組まなければならない私たちに、教会の伝統の中にある永続的で変わらない価値を大事にしながら、「新しい解決策」をもってそれらを補うことを教えているからです。この困難な時代にあっても、彼は教育の師である。彼が私たちに提示する「新しい教育」は、創造的であると同時に伝統に忠実でもあるのです。
ドン・ボスコの教育の現代的な意義