(17) 宮崎、大分、中津、別府の現状、若者への期待

1926年4月8日 宮崎から
Rinaldi Filippoリナルディ・フィリポ神父、総長へ

私の良きお父様へ

・・・お手紙ありがとうございました。大分と中津から帰ってきて、・・・のろのろ鉄道で退屈し、とても疲れて家に帰りました。しかし、心に大きな喜びがあります。以下、簡単な報告です。

神様のお思し召しにより私たち小さなドン・ボスコの子らに委ねられた地域はとても広いです。二つの県とも人口が増えています。

宮崎は天皇家の出身地だと自慢しています。

大分には聖フランシスコ・ザビエルの働きの思い出があります。サレジオ会員が司牧のために回れば、古い信者を見出す期待があります。

中津は仏教が完全に支配している地域です。大分と中津の教会や司祭館は宮崎より小さいが、今のところ住まいとして十分でしょう。・・・

大分には小さな港があり、漁業と商業の町です。人口は4・5万、方々から集まってきた人たち。あらゆる類の学生がいて、プロテスタントが深く根づいています。カトリック信者は町に少なく、地方に散らばり、大した数ではありません。中津の場合も同様です。大分の司祭館は商業地域の中の最も小さい建物、拡張した方がいいと主任司祭は勧めています。

中津教会は住宅地域から孤立しており、建物の右に警察署、左に市役所、裏は県庁出張所、前は学校があります。人口は2万5千人、大分から2時間半、宮崎から8-9時間の静かな町です。

中津と大分の間に有名な別府があり、日本の海水浴所の観光地、あらゆる類の温泉で知られています。大勢の日本人、信者も治療のために駆けつけ、名所になりつつあります。現地の信者や観光客のためにも教会が望まれます。信者になる人が出るでしょう。病人(特に結核や精神患者)には精神療法が効果的です。こうした精神療法を使って病気の回復を目ざす新興宗教がどれほど多いことか。この点も一度ご検討ください。少なくとも日曜日のための分教会がよいでしょう。

大分と中津の気候はピエモンテ地方と似ています。・・・

とりあえず、宮崎では教会学校を開いて子どもたちを世話しようと思っています。(日曜に限らず、毎日でもできる)。場所のため庭の一部をつぶそうと思っています。後は、主が考えてくださるでしょう。これは、すべてボネカ−ズ神父が難色を示さない限りです。宮崎の信者の家族を失わないには、少年少女たちを世話することは急務です。(シスターたちの手配も、どうかご検討ください)。14-15歳まではまだ子どもですが、継続的に世話しないならば、迷い出て深刻な状態になります。彼らが夢中になる遊びのためにスペース、常設図書館、移動図書館が必要です。本を食いつくす者です。信仰教育も必要です。・・・

先日、強い地震があり(震度4-5度2回)、震源地は宮崎。日本の家は柔軟性があり、ぐらぐら揺れてもヨーロッパのようなショック、恐しさ、パニックは感じません。

今、日本は桜の季節。日本人は喜び祝い、花見や遠足に出かけます。・・・

どうか、私たち皆のためにお祈りください。特に、これほど主から愛されているのに、その恩恵に十分に応えていないこの私のため。すべての長上方と共に心からお父様を抱きます。

敬愛するあなたの V.チマッティ神父