(18) 教え子に日本を語る

1926年4月15日頃
Amerio Francoアメリオ・フランコ神学生、教え子へ

わが良きフランコ君

ありがとう、ありがとう、ありがとう! 君が手紙をくれるのは大喜びです。何を言っているの。時間がない、と。うまく使えば、何をするにも時間があるよ。私が送ったものは届いたと思うが、今のところ、私には、君の封筒以外、ヴァルサリチェから何も届いていない。これも、離脱だなあ。

琴という日本の楽器の音楽をまだ聞いていないが、できれば、私も習おうと思う。東洋的でさびしい感じの音色です。こんな風に...〔1行5線譜で音楽がついた〕。この歌を子供たちにも教えた。まあまあ上手に歌ってくれている。今度、イタリア語の歌詞を送ってくれれば、日本のメロディ−をつけよう。ここは、学校に音楽の時間があり、西洋の音楽も教えている。復活祭のために“Regina coeli, 天の元后喜びたまえ”を日本語で作曲した。よくできた。5月まで作曲したいものと一緒に送ってあげよう。

君は恐れずにガンバレ! 善意をもってやったら、何も恐れることはない。神様にまかせなさい。・・・

日本のことを想像するのは結構だが、好きなように色づけてもこの国の外面的美しさを想像できない。まったく独特で、世界のどこもこんな国は存在しないだろう。信じてください。これは、けっして、詩ではない。しかしながら、その魂はどうなのだろうか。・・・

祈って、祈って、祈ってほしい。なさるのは主です。主がなさるべきです。

君が寝る頃、私はここでミサをあげている。特にその時に心を合わせよ。

お母さん、そしてお父さんによろしく。心から君を抱きしめる。何か君に役立つことがあったら、言いなさい。君の言うとおりにしよう。

君の兄弟 V.チマッティ神父私の良きパパ