(33) 日本の自然の標本

宮崎 1926年8月8日
Grigoletto Giuseppeグリゴレット・ジュセッペ神学生へ

わがグリゴレット君

君の最後の手紙に返事する。まず、君の試験のために今までも祈ったし、これからも祈る。さて、

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君たちの展示会のこと、ずっと心にかけている。今までも、できるだけ写真を送ったし、そして、毎月、トネリ(Tonelli)神父に自然界の標本を送ったりして、ずっと協力してきた。今のところ、あまり回れない状態なので、手に入った物を送っただけだ。どうも、言葉という欠かせない道具が手にないかぎり、回っても何もならない。植物、昆虫、蝶々などは、ちょっとした違いはあるが、およそイタリアのものによく似ている。しかし、火山岩、魚類などは素晴らしい採集ができるので、是非やってみたいと思う。

化石

A〜C (略)
D 円に対するイタリアのリラのチェンジは、十〜十二リラとなっている。すなわち、一円にするために、イタリアの十リラが必要となる。
E カラブリア(Calabria)神父〔訳者注 ヴェローナの人で、一九九九年に列聖された〕が私たちのために祈ってくださるよう頼んできたことを感謝する。素晴らしいことだ! 私は、皆の祈りを必要としているからである。
F 君が私に送る手紙を書き直さないでも結構である。時間の無駄になるから。心配しないで、ちゃんと読めるのだ。(……)
恩人からもらった二十五リラを手紙に入れた、と君は言っているが、開けてみたら何も入っていない。今度は、その方の住所も書きなさい。わかったか? なお、君が送ってくれた歌詞は、残念ながら音楽には適さないのだから……。

最後に、言われるとおりにしなさい。マリア様を信頼して働き、私のために祈りなさい。

心から君を抱きしめて祝福する    チマッティ神父