(36)子供たちの遊び、アッシジのフランシスコのための最初のコンサート

宮崎1926年10月8日
Rinaldi Filippoリナルディ・フィリポ神父へ

最愛のお父さん、リナルディ神父様

今月の私たちの状況をまとめ、主に感謝しながらご報告いたします。 いつものように、日を追って、主な出来事をご報告いたします。

日本語の勉強を続けています。この言葉は日本人にとっても、しゃぶりにくい骨ですが、私たちにとっては、なおさらです。でも……心配せずに進みましょう。(……)

少女この季節、日本の子どもたちの遊びは、凧揚げ(紙で作ったもの)、メンコ(いろんな絵が書いてある)、さるすべりの木の実を弾にした竹鉄砲などです。さまざまな種類の遊びを好み、飽きも早いですが、目新しいものがあると、またすぐに元気を取り戻します。ヨーロッパの遊びもよく知っています(場所により多少異なりますが、中にはとてもおもしろいものがあります)。

九月十七日 鹿児島で(アシジの聖フランシスコ帰天七百周年記念のため)ピアノ、ハーモニウム、歌の大コンサートを行いました。鹿児島を担当しているフランシスコ会の神父様方がイタリアの偉大な聖人を称え、カトリックを宣伝するため、私たちの協力を願ってきました。喜んで応じ、神様のおかげで、皆が期待した以上のものでした。フランシスコ会の立派な神父様方の助けにより、人々を熱狂させました。マルジャリア神父とリビアベラ神父と共にイタリアの歌のプログラムを進め、間にフランシスコ会の神父様方がフランス語や英語の歌を折り込み、二部に分けて、ピアノやハーモニウムのソナタも入れました。大きな劇場で、午後三時は高校生(五百人以上)を対象に、午後七時からは一般向けに(二千人以上)開かれました。神に感謝! イエス様とマリア様、アシジの聖フランシスコとドン・ボスコを称え、イタリアを思い出し、「神の軽業師」と呼ばれた清貧の聖人(アシジの聖フランシスコ)や、子どものためにサーカスごっこを辞さなかったドン・ボスコを思い出しました。

コンサート1
コンサート2
コンサートの様子

これは、神のご計画による、サレジオ会宣教活動のおもしろい始まりです。皆、敬虔な姿勢で、注意深く一曲一曲に聞き入りました。そして、終わる時や始める前に、演奏者が深々とお辞儀すると、拍手が沸きました。神に感謝! 神に感謝! 音楽も良い手段となります。日本の音楽は、感情や、明るい寂しさにあふれていますが、日本人は、その正反対であるヨーロッパの音楽も好んで鑑賞します。

九月二十四日 宮崎の工業高等学校を訪問しました。

十月三〜七日 鹿児島で行われたフランシスコ会の荘厳な式典に、カヴォリ神父と一緒に参加し、音楽と、報道会館での講演を引き受けました。会館は五百人以上で満席でした。イタリア語で「古今のイタリア」というテーマで話し、イタリアの偉大さがどの時代でも、古代ローマの伝統と、使徒継承のローマ・カトリック教会の教えによるものだと強調しました。アシジの聖フランシスコを記念しながら近代のイタリアのことも語り、ドン・ボスコのことを忘れませんでした。忠実な通訳者、早坂神父は(イタリアに留学したことがある)私の考えを完璧に表し、良い種蒔きになりました。

式典には、ジャルディーニ教皇使節も参加して挨拶され、日曜日は堅信式がありました。夕方には、教会の庭で荘厳な行列があり、たくさんのキリスト者ではない人々も参列しました。月曜日は司教の荘厳なミサがあり、祝賀会には鹿児島のお偉方も参加しました。キリスト者ではない人々やプロテスタントの人たちの口から、私たちの宗教や、アシジの聖フランシスコ、またイタリアを称える話を聞いて、感激しました。水曜日は、しめくくりの講演がありました。ある町の新聞は、二週間以上にわたってこの式典、またイタリア、アシジの聖フランシスコについて記事を記載しました。イエスのみ国が広がりますように!

歌手とチマッティ神父
新聞記者と
3名の歌手とチマッティ神父
鹿児島新聞の新聞記者と

教皇使節と一緒に菊の展覧会(……)と、桜島と同名の火山を見てきました。今でも一九一四年の大噴火の跡を留めています。島津家の庭園と博物館も見学しました。以前、音楽会に際して、殉教者の墓や、聖フランシスコ・ザビエルと有名な討論を交わした僧侶の墓も訪問しました。(……)

菊展1
菊展2
菊展より

今、田んぼの稲の穂が美しく黄金色に色づいています。主の叫びが思い浮かびます。「ああ、日本も良い畑です。主よ、どうか、収穫を無駄にするようなことがありませんように!」

収穫

私の最愛なるお父さん、この国にいるあなたの子どもたちは、あなたを思い出し、あなたを愛し、特にあなたの祝福、長上方、兄弟、生徒、協力者たちの祈りにより、支えを願っていることを思い起こしてください。多くの殉教者を出したこの地に、早く神のみ国が訪れますように。あなたの子であるこの私は、どれほどこのことを渇望していることか!

あなたを心から愛している V・チマッティ神父