優れた音楽的才能
チマッティ神父は、生まれつき音楽的才能に恵まれていた。小さい時からよく独唱をさせられ、天使のようなボーイソプラノだった。「あの子が歌う時、祈っている感じがする」といわれていた。 大人になってから、そのバリトンの声が会衆を感動させていた。
中学校でピアノやオルガンを習い、16才で最初に作曲をし、死ぬ1年前まで作曲し続けた。調布の「チマッティ資料館」に950ほどの作曲が保存されている。とくにチマッティ神父のオペレッタは、世界中のサレジオの事業や教会などで親しまれ、自然に心から湧き出るような快いメロディにあふれている。
 資料館には、音楽の理論、和声など、音楽のあらゆる分野に関する授業の草案や直筆ノートが残っている。曲には伴奏を付けないこともあったが、それは、完成する暇がなく、自分が弾くには必要ではなかったからである。後に、弟子たちが覚えていた先生の伴奏を補ったりした。作品には、宗教音楽だけでなく、49のオペレッタや、イベントや人々を楽しませるための曲も数多くある。400ほどの日本語の曲もある。とくにオペラ『細川ガラシア』がよく知られている。曲の一部はCDで紹介されている。

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