(11) 日本の文化への挑戦

1926年3月3日頃 宮崎より
Rinaldi Filippoリナルディ・フィリポ神父、総長へ

敬愛なるお父様

ただいま、会員各自の報告を聞き終わったところ、私自身の月の報告をいたします。

健康は、あらゆる面で良好です。今のところ、この土地の気候に慣れることに何の困難も感じません。今まであらゆる困難な状態に慣れてきたのですから、どんな気候のもとでも元気でいられるようです。

勉強と仕事に関しては、日本語の勉強や長上たちとの文通のほか、もらった手紙への返事を出すようにしていますが、昨日まで、外国からの手紙は1通も届いていません。

すべてのため時間が十分にあり、熱心にやっているつもりです。ありとあらゆる面で修練期に戻った気分です。いえ、幼児期に戻ったと言った方がいいのかもしれません。

皆を兄弟のように愛しているつもりです。(略)

今は、比較的にゆっくりできる時期になっています。こちらの気候に順応するまで、司教と管区長の勧めに従って、一時、次のようにしたいと思います。四旬節の断食を免除して〔注。当時、とても厳しかった!〕、朝食にはコーヒーと牛乳、また希望する人には卵1個を出します。(略)
 今のところ、特に必要なものはありません。ただ、畳の生活に慣れていないので、少しマットレスを準備しました。これで、皆、少し楽になりました。(略)

金銭に関しては何も心配していません。天の会計(主)が配慮してくださるからです。

宮崎は農業が中心で、人口は4万ほどですが、さらに増加しつつあります。日本では、ピエモンテ地方に対する南イタリアとサルデニア島のような状態です。お役人や公務員の最初の任地は、宮崎から始まります。漁業や農業が盛んで、食生活に関しては問題ありません。お金さえあれば、何でも買えます。生活費の面では、総合的に見て、私たちの人口の多い都会とほぼ同じです。早く現地の食生活に慣れれば、それ以下で済むでしょう。

住まいは静な所にあり、養成支部に適しています。遠足のため、いくらでも変化に富む目的地があります。信者のほとんどが農家であり、教会に対して好意的です。パリミッションのボネカーズ神父との関係もとても良好です。この方の健康が優れないので、栄養と陽気さで元気付けるようにしています。(略)会員たちは、模範的にサレジオ会の共同生活を送っており、あらゆる面で満点です。

聖ヨゼフ教会と司祭館
教会内部

今日、聖ヨゼフの祝日を準備するため、子供たちと一緒に歌ミサの練習を始めました。声の方は、まあまあ良さそうです。うまくいきますように。

私は、他人を指導しながら、自分を見失うことがないように、どうかお祈りください。

総長様や長上方お一人お一人に、ご復活のお喜びを申し上げます。

敬愛をこめて あなたの息子 V.チマッティ神父