(21) 若い教え子への勧め。日本の美しさ

宮崎1926年5月2日
Valentini Eugenio ヴァレンティーニ・エウジェニオ神学生へ

親愛なるエウジェニオくん

マリア様の月である5月の初めに、待ちに待った君の手紙が届いた。君が述べていることは当然だと思う。私は驚かないし、何の問題も見ない。もし死ぬ5分前、嫌な考えから解放されるならば、神様に感謝すべきだと思う。ミサの中、いつも君を思い出している。時差は9時間だから、君が夕の祈りを唱えて寝に行く時、私はここでミサを立てている。互いに思い出すことにしようね。

君自身のこと。聖人になっているかどうかは、知らない方がよい。余計なことを考えずに、働け、働け、働け。主が望んでおられるのは理屈ではなく、実践だ。でなければ、君は死に瀕している病人の様態を科学的に診察する医者のような人になる。

実践、実践! 実践する人は、間違うこともあろうが、注意を受けて改善すれば、心配しないで進めば良い。なお、任せられた生徒のためによく祈りなさい。

受験のこと。できるだけよく準備し、子どものようにマリア様とイエス様に任せなさい。未来がうまく行くか行かないかを心配することは何のためになるか。これから五分後まだ生きているかどうかを知らないのに…。博士号や地位は、永遠の生命のために何に役立つだろうか。自分の責任を増すことになるだけだよ。大した儲けだなあ!

イエス様の前でより素直になれ。そうすれば、すべてはよりうまく行く。君は考えすぎだ。何でも自分の目で見たいのだ。こう言いなさい。「もし主のお望みならば、大学教授、王様、司教様、教皇様になり…、最後は、蛙のように膨らみ…、どうなるかなあ…。」 さあ、さあ、笑って、自分自身に言いなさい、「ばかばかしい!」 そして、手をこすってもう少し謙虚になり、まっすぐに進みなさい。

日本のニュースがほしいか。日本と言う国は、花の国、メルヘンの国、すばらしい景色の国、すべての意味で美しい国。しかし、この地上の楽園には、蚊、蛙もいるし、神を知らない何百万人の魂も住んでいる。いつ神を知るようになるのだろうか。ああ、神の御国が日本にも実現するように祈りなさい。

いつも快活であれ。皆、皆、皆によろしく。私のために祈ってください。6月、イエスの御心の月をよく祝ってください。「イエスの至聖なる御心よ、われ等を憐れみたまえ!」君を抱きしめます。

V.チマッティ神父